
醫王寺(磐田市) の コケ
コケの種類の名前はほとんど知らない。
キノコは少しは知っている。
この違いは、コケは食べないが、キノコは食べられるものがあることに
関係しているかも知れない。
コケは、ずいぶんまずいものらしい。
人も食べないが、虫も食べないし、雑菌にも食べられない。
コケは、明治になってから名前が付けられはじめた。
(西洋の博物学(後の生物学)が輸入されて)
それほど昔の日本人には、関心がなかったようである。
話はいきなり飛ぶが、
屋久杉は、実はコケのお陰で生きているのである。
屋久島は、岩からできている。
そして、降雨量が多い。
コケは、ほとんど養分を必要としない。水分があって、少し暗かったりすると
岩の上でもコケが生える。やがて、土壌もできてゆく。
(余談だが、コケには葉と茎の区別があるが、モにはその区別がない。)
コケは、保水し、あらゆる植物の生命の源となる。
屋久杉も、そうして育ち、その根は岩をも砕いていく。
また、コケは屋久杉を取り巻き、雨風を防ぐばかりでなく雑菌からも守ってくれる。
樹齢何千年もの屋久杉が岩の上でも立って生きていかれるのは、
下闇のなかのコケがいてくれるからなのである。
大木は、コケのお陰で立っていられる。
水処理してくれる生物もまた、細菌がいて、原生動物がいて、
微小後生動物(ミミズなど)がいて、 その順で、食物連鎖がおき、
そして、総合的に水がキレイになる。
ミミズもまた、
底辺の細菌がいればこそ生きられる。
生き物も、人間社会も、企業も、
支えているものがいてこそなのである。
これが自然の摂理なのである。
