静岡新聞 夕刊 平成21年8月1日
宇宙飛行士 若田光一さんが無事帰還した。
予定より1ケ月程遅れての帰還である。
素晴らしい大成果を上げた。
NASA幹部は、記者会見で
「若田さんは私たちの頼んだすべての仕事を、
信じられないほどうまくこなした。」
と絶賛した。
また、長期滞在者の帰還直後の記者会見は、異例中の異例である。
無重力の生活が長いため、筋力と骨量の減少が甚だしいのだ。
体力的に、難しいことなのだ。
骨粗鬆症の治療薬の服用と毎日2時間の運動をし、自ら人体実験を
し、記者会見に望んだのだ(4ケ月半の滞在であった)。
映像や写真では伝わらないことをコメントとして発してくれた。
「シャトルのハッチがあいた瞬間、地上の草の香りが入ってきて、
やさしく地球に迎えられた」
と、帰還の第一印象を語った。
すばらしいことばだ。
地球の仲間の植物の草が迎えてくれたとは。
俳句には、こんな季語がある。
草いきれ (夏の季語)
草芳し(くさかぐわし) (春の季語)