
静岡新聞 朝刊 平成21年1月20日
内閣府食品安全委員会の専門家作業部会は、体細胞クローン技術で
つくられた牛と豚について「食品として、通常の牛や豚と同等に安全」だ
とする報告書をまとめた。
これをうけ、流通が容認される公算が大きくなった。 とある。
何をもって安全というのか。
見落としていることはないか。
見落としていないと誰が言えようか。
見えないのだから、言いようがないのではないか。
過去、人類は多くの化学物質を作ってきた。
安全だと思っていたものが、後に否定されたものは数多くある。
戦後直後、頭に噴霧されたDDT、絶縁油として素晴らしい性能のPCB、家庭の
蛍光灯内のコンデンサーや新幹線にも使われた。
製造禁止になって久しいが、アザラシなどが汚染されている。
世界中が汚染されているのだ。
薬害問題もしかりである。
はじめから、誰も害があるとは思っていなかったはずだ。
人類のやっていることは、月へ行こうが、火星へ行こうが、
自然の前では、全然大したことないのだ。
人類は、過ちを繰り返すものなのだ。
そのことを、重々忘れてはいけないのだ。
今回は、化学物質ではない。
生命である。
人類が、手を加えた生き物である。
何をもって、安全と言うのであろう。
安全ということを、言うのは本当は、大変なことであるのだが。