
「存在の夏」 村木道彦著 ながらみ書房発行 (TEL03-3234-2926)
この遠州にゆかりの深い
村木道彦先生が、34年ぶりに第2歌集を出された。
短歌を止めたかに思えたが、・・・私としては、一時休止であったと考える。
私のように、短歌や句を趣味的にやっているのとは、訳が違う。
歌を生み出すには、相当の時間やエネルギーを必要とすると思う。
「サラダ記念日」の俵万智は、「村木道彦の作品に出会ったとき私は、もうすっかり
「ハマってしまった」という状態だった」(「短歌をよむ」岩波新書)と述べている。
短歌界における先生の影響は、 知る人ぞ知る なのである。
では、本の中から3首、
こころここにあらざるひとひみづからの脚のあゆみにおくれがちなり
なにもかもだるくなりたる老犬とゐてあそびおり夜の芝にて
かなしみはまがふことなくわがまへにきてたちどまる「またもおまへか」
先生は、これからやっと、歌とじっくり向き合えると思う。
これからが楽しみであり、ますます素晴らしい作品をと・・・大いに応援したい。