天災は忘れた頃やって来る

天災は忘れた頃やって来る
   「寺田寅彦随筆集第一巻」小宮豊隆編 岩波文庫昭和48年1月10日第40刷発行

若かりし頃、全5冊を買い込んで読んだ。
確か、岩波文庫星ひとつ50円?の時代だったと思う。

きょうは関東大震災のあった日、防災の日である。
「天災は忘れた頃やって来る」は、寺田寅彦のことばと言われている。
寺田寅彦は、物理学者である。
大正12年の関東大震災のとき、いち早く調査を始めた。
特に、火災による旋風(竜巻)について詳細に調べ上げている。寅彦が小宮豊隆宛の書簡に、次のように書いている。
   「・・・僕らは今度の火災のことの調査を引き受けて毎日毎日焼け跡を調べて歩いています。
   夜寝ると眼の前に焼け跡の光景ばかり浮かんで、焼死者や水死者の姿が見えて仕方が
   ない。頭の中まで焼け野原になったような気がする。・・・」
調査は、今日大いに役立っている。


寅彦は、夏目漱石の弟子である。友人に近いものでもあったらしい。
漱石の小説 「吾輩は猫である」の水島寒月、「三四郎」の野々宮のモデルとも言われている。
また、寅彦は多くの弟子を育てている。
氷雪学の中谷宇吉郎、地震学の坪井忠二、気象学の藤原咲平、形態学の平田森三など。

寺田寅彦は、随筆や物理学での業績、その弟子、そして、その弟子たちの業績と
莫大な財産をこの日本に残した。

しかも、今日においても、その影響を与え、新たな財産が生まれている。

防災の日、サイレンが鳴り、役所で、学校で、職場で訓練が行われている。
と同時に、偉大な科学者、随筆家(俳句も残されている)を思ったしだいである。


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