「新書太閤記」
「新書太閤記」 吉川英治 著 講談社文庫
いつの時代も、食べてゆくのはしんどいことだ。 戦国時代ならなおのことだ。
秀吉が縫い針を売って、諸国をめぐり、どこの殿様に仕えようかとしていたころ。
大きなお屋敷の門前のお掃除をしたり、坂で荷車に苦労している人がいれば、
手を貸したりした。 すると、お礼をもらえるのだ。
日吉(秀吉)は、人助けなどして、自ら仕事をつくりだしていた。
この本を若いころ読んで思った。
仕事とは、まずは与えられたことをきっちりこなし、 次は
自ら仕事を探し、見つけ、つくりだすもの と。
この本に (彼=日吉)
彼に限っては、どんな仕事でも仕事を愛することが出来た。それは、
貧しく生まれたばかりではではない。現在の仕事は、常に、次への
希望の卵だったからである。それを忠実に抱き、愛熱で孵(かえ)す
時に、希望に翼が生えて産まれることを、彼は知っていた。
とある。
今の時代にも言えることだ。
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