どんぐり 2
岩波文庫 「寺田寅彦随筆集 第一巻」 小宮豊隆編
この中の、 「どんぐり」 に 人類の 男 と 女 の違いが
よく書かれている。
最近、その違いが わかりはじめてきた。
そしてそれは、地図が読めるの読めないの議論まで発展する。
寅彦の妻が、どんぐりを見つけ、拾っている。
(寅彦は言う)
「いったいそんなに拾って、どうしようと言うのだ」と聞くと、
おもしろそうに笑いながら、「だって拾うのがおもしろいじゃ
ありませんか」と言う。ハンケチにいっぱい拾って包んで
だいじそうに縛っているから、もうよすかと思うと、今度は
「あなたのハンケチも貸してちょうだい」と言う。
・・・・・
どんぐりを拾って喜んだ妻も今はない。お墓の土には
苔の花がなんべんか咲いた。
文庫本 6ページの文章の 「どんぐり」 であるが、
夫婦のこと、親子のこと、(直接は書かれていないが)科学のことなど、
凝縮されている。
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