薩摩治郎八

ヒロさん

2009年12月25日 00:11




   「三輪明宏のおしゃれ大図鑑」 三輪明宏著 集英社発行


この本には、 美しいモノ や 美しい人 がいろいろと載っている。
その中のひとり、 薩摩治郎八 (1901年(明治34年)-1976年(昭和51年)) 。

「木綿王」と呼ばれた薩摩治兵衛の孫として生まれた。
18歳でイギリスに留学。 19歳でフランス・パリに移る。
このとき、実家からの仕送りは、毎月、現在のお金にして3000万円。
(他の資料には、7000万円、1億円というのもある。)
フランスの社交界では、(爵位がないのに)バロン薩摩(薩摩男爵)と呼ばれた。

藤田嗣治をはじめとする日本人画家や、ピカソ、ジャン・コクトー、マリー・ローランサン
などのパトロンとなり、彼らの創作を支援した。

日本人留学生のために、日本政府に代わり、自費で「日本館」を建設した。

1935年実家は世界恐慌のあおりで倒産する。
戦後、農地改革もあり、
1956年無一文で帰国。

約30年間で費やしたお金は、600億円といわれる。

1966年フランスより レジョン・ドヌール勲章を授与される。



著書には、次のようにある。
   最近の政界、実業界には、物欲、権力欲に毒され、品性の
   かけらもない人間ばかりですが、彼は違いました。
   人間の真価や物の価値を、お金に換算するような卑しい
   真似は決してなさいませんでした。
    ・・・・・  略  ・・・・・
   狭苦しいアパートの一室でセンスよく暮らし、こういう生活も
   なかなか面白いと、生活を楽しんでいました。
   本当の豊かさとは、こういうことです。
   お金や物ではなく、品性があるかどうか、自分に対する誇りと
   尊厳を持っているかどうかで、人間の質は決まるものです。

   

凄い生き方であり、惹かれるが 、
もとより 600億円 がありませんね。  

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